メメント・モリ
元気に見送ることはちょっとかなわなかったけど、おばあちゃんときちんとお別れをした土曜日。
触れた頬が柔らかかった。とても冷たかったけれど、その柔らかさが愛しかった。
棺ごと焼却されるその間際、最後に短く声を発しながら亡き妻の額に触れたおじいちゃんの顔を、忘れることはないと思う。
70年も一緒にいたらね、どんな気持ちになるのかな。
いつか私が死ぬときのために、今を生きていこうと思った日曜日。
いさんで美容院に行ったけど、ちょっと失敗…。なんか出鼻くじかれた感は否めませんが、まあ気を取り直していくしかないか。
3日ぶりに仕事に出た本日、月曜日。
やっぱり出鼻をくじかれるような、衝撃を受けるな出来事があって、困った。
私の救いになってくれたあの人のことを考えた。
けど、彼はきっと私みたいに求めることはないような気がした。
あるとしても、なんとなくそれは私じゃないような気もした。
それこそ気になってしょうがなくなったけれど、私が彼に何かを投げかけることは、色々な事情からはばかられた。
死について、考えた。
人が生きていれば、その生の数だけ死があって、きっとどの死も同じではない。
死ぬということは、生きるということだと思う。
そして、生きるということは死ぬということだと思う。
最終的に、いつか死ぬなら誰と生きていたいかをちらりと考えた。
けど、その答えを今すぐ出すには性急で軽率だと思った。
だから、私はこれからまた色々なことを知って、答えを出していこうと思う。
私と私の側にいてくれる人が幸せに生きて行けるように。