ANA+OTTO

アナとオットー [DVD]

アナとオットー [DVD]

だいぶ前にたまたまテレビで放送してたのを観た映画。

あの時は映像の美しさとか、俳優の魅力とか、ラストの衝撃がとても印象に残る映画だなあと感じていた。

今回観てやっぱり同じような印象も受けたけど、以前より物語がすんなりと入ってきた。



アナとオットー、2人とも逆さことばで綴る名前の持ち主。

幼い頃に出逢った2人は、様々な偶然を重ねてお互いを運命だと感じる。

アナとオットーそれぞれの視点で、同じ時間を描きつつ物語が進んでいくのが面白い。

2人の幼少期〜思春期?くらいがいちばんすきだな。

だんだんと、ふたりの心がほんとうに重なっていく感じ。



青年期をむかえると、オットーにとって苦しいことが起こったり、それによって2人が離れてしまったりする。

心は離れていないし、物理的にもすぐ近くにいたこともあった、けど気づかない…。

そんな馬鹿な。とは感じつつも、良い偶然と同じくらい、皮肉なすれ違いがこの映画には似合うなあと思う。



物語のなかでもポイントになっている北極圏。

そこでオットーを待つアナと、アナが待ってると知って会いにいこうとするオットー。

そこでもたくさんの偶然とすれ違いが起こって…。



やっぱり、ラストは印象的。

普通のラブストーリーだったらああはならない。

アナの見開いた瞳に移るオットー。

アナの瞳に滲む涙。

あのあと、オットーはどうなるんだろう。



映画が持つ雰囲気に、どこかシンシンとした痛みを感じる。

静かで、でも強くて、どうしたらいいのかわからなくなる心地。