こわいのは

同期と酒を酌み交わす。

弱音吐いたりどうしたらいいのかな?って相談したり、奴のしあわせ話に頷いて思わず笑顔になったり、大爆笑したりする。

1つしか歳がかわらないのに、なぜか父ちゃんみたいな空気を持ったひとである。



父ちゃんに普段人には言わないような本音や今の気持ちなんかを話してたら、自分で自分のことがよくわかってきた。

私って、ほんとに自信がないんだな。

自信をもてるモノなんて、ハナから備わっちゃいないから自分で備えるしかないはずなんだけど。



短くなった前髪の横顔に見惚れてる場合かいって思った。

でも、まだ私には傷付く覚悟が全くできてないことに気づく。

傷付かないように、自分で最初からバリケードを張ってしまう。

だって、思った以上に古傷は深かったんだもの。



たぶん、恋心は夢想を抱きしめるようなモノだ。

相手を取り巻く現実を抱きしめるようになれたら、それはきっと愛情だ。

夢想でしか抱きしめてもらえなかった自分。

夢想しか抱きしめられなかった、自分。

それを繰り返すうち、無意識のうちに次がとてもこわくなっていた。



こわいのは、自分が傷付くこと。

こわいのは、夢すらみれなくなりそうな自分。

こわいのは、あの空気に取り込まれそうな自分。



父ちゃんはそんな私をわらって励ましてくれたので。

父ちゃん、私がんばる!と言葉にしてみたのでした。

そうでもしないと、なんかへこたれそうで。

うーん。がんばるさ。