雲と雲がかさなるとき
帰りみち、朝よりもずっと空が晴れていた。
ぽちぽちと丸い雲が流れるそのうえには、筋状の雲が流れていて。
それぞれ異なるかたちをした雲たちが空の上で交差するのを、自宅まであと数十メートルというところにある踏切から見上げた。
最近美しいものを目の前にすると、涙腺がゆるむ。
実際に涙が出なくとも、目の奥がじんとする感覚を覚えるのだ。
そして、空がきれいだねとか、今日はいい天気だねとか、そういう他愛ない小さな感動を誰かと共有できることがいかに幸せかを思う。
小さなことだから、共有できなくたってべつに何か支障が出るわけではない。
でも、私はそういうことを共有できる時間の積み重ねを幸せだと感じるらしい。