こんどこそ

ちゃんと、終われるかな。



彼は、びっくりするほど変わっていなくて。

私の気持ちなんて、検討もつかなかったようで。

なんかやっぱり、友だちになるには会うのが早すぎた。

でも、もうこうして話ができることはないと思ったから、1番すなおな気持ちをぶつけてみた。



やっぱり私じゃだめですか?



だめじゃないけど…



はい、なんだかんだ言っても、それって結局ダメなんですよね?



彼が、ちゃんと他人と向き合えない人なのは、知ってる。

それじゃだめなんだとわかっているのも、知ってる。

でも、最終的には自分自身で“ダメな自分”をつくって、それに甘んじてるのも、知ってる。

私は、そんな彼にぶつかってきてもらいたかった。

どうにか、彼が入ってる穴からひっぱりあげたかったんだ。



彼自身、穴の上から差し出された手をとるのがこわいのかもしれない。

いつまでも、いつまでも、そうしてるんだろか。

けど、こんだけ手をのばしても、私の手はとってもらえない。

もうそれは嫌というほど、わかったから。



あとは、いつか彼が手をとりたい人をちゃんと見つけられることを、心から願いたい。

私も、こわがらずにいつかまた誰かに手をのばせるようになろう。

だからもう、彼のことをここで綴るのはおしまい。



やっと、こんどこそ1歩を踏み出すんだ。

踏み出すためにあげた足が地面に届いたら、きっとそこから新しい世界が広がるはずだよ。

私の新しい世界を創るのは、私自身だ。