金沢の旅、最終日

旅の最後は、ひとり旅。

旅行前日に仕事でトラブルが起こって、最終日は早朝から金沢を発ってしまった旅の相棒。

さみしかったけど、ひとりレンタサイクルで周っているうちに、ひとりの面白さも感じた。

知らない土地に、知らない人。自分1人でいることが不思議で、でもなぜか楽しい。


最終日は金沢城公園→またまた21世紀美術館→またまたにし茶屋街→武家屋敷→香林坊の順に散策。

金沢城公園は入った瞬間の緑の広さに心奪われた。

この旅初めての晴天の下、芝の緑が青々としていて、お堀はずとしりと城のまわりを囲んでいた。

あまりに単純な感想だけど、城は、かっこいい。日本全国、色々なお城や城跡があるけれど、どこも構えがかっこいいのだ。

普段触れる機会が減ってきているけど、私はどうやら昔の建造物がとてもすきみたいだ。なぜかと言われてもうまく言えないけど、胸がワクワクする。


金沢城公園でときめいて、休館日で人の少ない21世紀美術館に入る。休館日でも有料展示室以外は開放されていた。

この日はタレルの部屋で青空をぼーっと眺めて、誰もいない面白ろイスに座ってぼーっとして、空間の匂いをたくさん嗅いだ。

ひと気の少ない美術館なんて、なかなかない。けど、不思議と心地良かった。


そのあとは前日に買い損ねた甘納豆を手に入れて、仕事に行っているであろう友だちに写メを送りつつ、賞味期限が切れないうちにまた会おうね、と約束。

自転車をぐんぐん漕いで武家屋敷に入り、庭や屏風に感動したり、香林坊でお香屋をのぞいたり、神社でお参りしたりして。

帰る間際にはお土産を物色して、家族や友だちや職場の人たちのことを考えながらお買い物。

このあたりから、帰るんだ…ってだいぶさみしくなっていた。


金沢の旅は、とても思い入れのあるものになった。

ずっと行きたいと憧れていた場所に行けたし、自分のすきなものを再認識できた。知らない土地で1人で過ごす楽しさも知った。

そして、年を重ねても一緒に旅ができる友だちがいることの幸せ、帰る場所があることの安心感も感じることができた。


また行きたいなあと思う場所がひとつ増えた。これもまた、幸せ。