Dry November
何時の間にか、陽が暮れるのがだいぶ早くなり。
夜空の色はよりいっそう濃い紺色になり。
星の瞬きがよりはっきりわかるようになり。
空気が澄んでいることを、つたえている。
夏の湿り気を含んだあつい空気は、時間の流れとともに乾いてつめたくなっていく。
あれはたぶん数日前。
なんのきっかけがあったわけでもないのだけど。
心のなかでもやもや固まっていたものが、スコンと抜け落ちた。
あたたかいものが、確かに私の心のなかにある。
GRAPEVINEの《Dry November》という曲がすきで。
歌詞と音に似た、切なさとやさしさに包まれる。
私にからまって離れてくれなかったものが、姿をかえてそばにいてくれるような感覚に陥る。
今年の冬を、こんなふうに迎えるなんて去年の今頃はまったく考えられなかった。
1年でひとは如何様にもかわることを、私は身をもって知っている。
もっと、もっとずっと、おおきなひとになりたい。