トロムソコラージュ
- 作者: 谷川俊太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/11/28
- メディア: 文庫
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本を読みたいなあと思うとき。
でも、なんだか物語はあんまり入っていきそうにないなあと感じたとき。
詩を読むといい。
今日はまさにそんな日で。
なんとなく“あー、本読みたい”と思ったけど、どんな話が読みたいとか、誰の作品が…とか浮かばなくて。
本屋に行ったら、本日発売だったらしい谷川俊太郎の詩集の文庫版が目についた。
少し長めの詩が、6つ。
最初の《トロムソコラージュ》は止まらずに次々と言葉が流れていく感じがしたけれど、それ以外は短い物語になったものだった。
いちばん表現がさらりとしているけど、こころにひっかかったのは《詩人の墓》という詩。
詩人と娘のことが描かれた、どこか哀しい詩だった。
娘が哀しくなったわけも、詩人が悲しい顔をするわけも、どちらもわかる気がした。
それがまた、かなしいとも感じた。
江國香織の作品解説を読んで、
“詩は放たれる”という言葉がとても印象的で、すんなりと入ってきた。
うまく言えないけれど、だから詩を読みたくなったり、読むといいって感じるんだと思った。
短い言葉の表現にあるもの。
文章を読むのとは違う感覚で得るもの。
それが心地よく感じるときがある。
放たれた言葉から、たくさんの思考を引き出されるような感じがした。