曲がり角の彼女
あの震災から丸1年と数日。
丸1年目の日、外出先の建物内で黙祷のアナウンスが流れた。
目を閉じる15秒間、あの時を想う。
目を開けたら、新しい1年がそこには広がっていて。
もう1年経ったのに、まだまだ復興には遠い。
時間が解決するもの、そうでないもの。
どちらも眼前にある現実。
最近、夢でよく曲がり角に遭遇する。
たぶんいろんな意味で、私はそろそろ曲がり角にさしかかる。
これまでの出来事を想いだしては心にしまって、心にしまってはまたそれを抱きしめる。
抱きしめていると、少しずつそれがはじっこからさらさらと砂みたいにこぼれ落ちるような感覚に陥る。
忘れたくないこと、忘れられないこと。
想いだしたいこと、想い出したくもないこと。
覚えていたいこと、覚える必要もないこと。
感じたいこと、感じられないこと。
いくつもの矛盾が自分の中に広がっていて、たまにやるせなくなる。
相変わらず、まだまだだけど。
よし!これで自分完璧にオッケー!!なんて日はきっとこないんだと思う。
いつも理想には満たないところがあるから、私は頑張れるんじゃないか。
なんて、都合のいいように思ってみたりして。